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国語の傾向【文化構想学部】

早稲田大学文化構想学部国語の入試問題の傾向として特徴的なのは、大問1に文語文が含まれること、大問3が現古漢融合問題であることです。
様々な種類の文章読解が求められる点、基礎知識が問われる点から、総合的な国語力が試されると言えます。

はじめに

前提として、早稲田大学は同じ大学でも学部によって、試験科目、試験時間などが違うことを覚えておいてください。
よって、受験する学部が決まったら、まずはその学部の試験の要項を調べることから始めます。
今回注目する学部は、文化構想学部です。
試験科目は、外国語・国語・地歴の3教科です。
この記事の中では、国語の試験の形式、時間、出題傾向などについて詳しくご説明します。
対策を練る上で参考になること、間違いなしです。ぜひ、ご一読ください。

出題傾向

基本事項

出題される科目は、「国語総合」「現代文B」「古典B」です。
大問は、3つ出題されるのが定番です。
大問1は、評論文と文語文からなります。
この文語文は、古典とも違う、明治から昭和初期に書かれた文章です。
他の大学、学部ではあまり見ない出題形式なので、事前によく過去問を読み、対策を練ることが求められます。
大問2は、評論文の問題です。
早稲田大学らしい、高度な読解力が問われます。
最後の大問3は、現古漢融合問題です。
文語文が入試問題に必ず出題されるのが、早稲田大学文化構想学部の大きな特徴ですが、それと同時に、現古漢融合問題といった形式の出題がある点も、チェックすべき大きなポイントです。
他大学はもちろん、早稲田大学の中でも珍しい出題形態ですので、注意しましょう。
この大問で出題される古文の題材となるのは、中世~近世までの幅広い文章です。
その時代の文章ですから、当然和歌も含まれます。
漢文の出題分野も、実に多様です。
これら古文、漢文と現代文が関連する文章の読解が求められます。
こうして見てみると、早稲田大学文化構想学部の試験においては、色んな種類の文章を読み取る力が試されることに気付くでしょう。
読解力に加えて、知識問題の出題がある点も見逃せません。
知識問題は、小問として扱われ、幅広い分野から出題されます。
詳しい内容としては、漢字や語句をはじめ、国語の基本知識である慣用句(表現)、四字熟語などです。
また、文学史の出題もあります。
さらに、古文を絡めて、古典知識を問う問題も見受けられます。
早稲田大学文化構想学部の国語の問題においては、「国語」という教科で問われる可能性があるすべての力・知識が測られると言っても過言ではないでしょう。

文字数と時間配分

大問1、大問2の文字数は、それぞれ5000字弱と、非常に多いです。
MARCHの大学で出題される文章の量と比べると倍近くで、非常に読み応えがあります。
古文は、500字程度と、標準~少なめです。
漢文に関しては、150字程度で多すぎず少なすぎず、標準だと言えるでしょう。
時間配分については、90分間のテストなので、現代文(大問1・2)を60分弱、現古漢融合問題を30分強で解くと決めておくのがおススメです。
過去問を解く際の目安にしてください。
できれば、見直しの時間を作っておくと、なお安心です。

解答形式について

解答形式として、マーク式、記述式の両方を採用しています。
マーク式の問題パターンとして考えられるものを以下に挙げてみます。
文章を読み取る力を問われる問題として、空所補充、傍線部内容、理由説明、内容合致などがあります。
それら以外にも、漢字(同音・同訓異字)、四字熟語・語句の意味、国語常識など、国語の知識が備わっているかを確認する問題も出題される傾向にあります。
ちなみにここでいう国語常識とは、文学史や古典常識なども含みます。
文学史に関しては、作品と作者名をきちんとつなげて覚えられているかのみならず、時代や前後関係が頭に入っているかも問われるので、要注意です。
記述問題は、ほとんどのパターンが抜き出しや語句記述です。
まれに短文説明記述の問題もありますが、基本的に説明記述の問題は出題されないと考えて良いでしょう。

文学部の問題との比較

文化構想学部と併願する人が多いのが、文学部です。
多くの人が併願する理由の1つとして、入学試験の傾向が非常に似ている点が挙げられます。
英語に関して言えば、問題形式まで同じです。
また、国語についても、出題内容に漢文がある点や、設問の傾向において類似しています。
しかしながら、問題構成が違います。
文学部の問題は、大問4つで構成されています。
詳しい内訳は、現代文2問、古文と漢文が1問ずつです。
このように文化構想学部と文化部の国語の問題は、似ている点も多いですが、違う点もあるので、併願する際は、両方の過去問研究と演習が必要です。

大問1・2・3それぞれの分析

大問1

大問1で扱われるのは、評論文、文語文です。
似たテーマを扱った現代文の評論文と文語文を読んで、それぞれの文章をまたいだ設問に答えます。
文語文に関して、明治時代の文語文が出題される可能性もあることを、頭に入れておきましょう。
具体的な問題内容としては、国語の問題パターンとして典型的な内容一致はもちろん、脱文挿入の設問も見受けられます。
内容や、文章の流れをより深く理解していないと答えられない問題が出題されています。
また、評論文と文語文が並んでいるということは、当然両者の内容の関係性を問う問題も出題されます。
基本的には、すべてマーク式です。
文章の内容は、芸術・文化論をテーマにしたものが多い傾向にあります。
文章の内容に関する問題以外に、基本的な慣用句を問う問題も出題されています。

大問2

大問2は現代文で、問題形式は一般的な私立大学の入試と同じく選択式中心です。
難解私立大学らしく、文章量は多く、かつ文章のレベルは非常に専門的で難しいです。
過去の問題を見ると、これまで芸術・文化論、哲学、社会学などをテーマとした文章が、多く出題されています。
確かに専門的ではあるものの、あくまで読解力を試す国語のテストなので、事前に知識がないと解けない問題はありません。
ですが、普段からこれらの話題に慣れておくことは必要です。
問題パターンとしては、大問1と同様、内容一致問題や脱文挿入の問題が多いです。
空欄補充の問題も、よく見られます。
文章も長いですが、全体的に問題の選択肢が長い点も、特筆すべき点でしょう。
しかしながら、文語文を含む問1に比べると、読み取りやすいという声もあります。
さらに読解問題以外に、例年、2題ほど漢字の書き取り問題が出題されます。
ここで出題される漢字は、誰も書けないような難解なものではありません。
高校までで習う常用漢字が範囲となるので、十分準備が可能です。

大問3

大問3は、現古漢融合問題です。
パターンとしては、現代文の中に古文・漢文が埋め込まれるものと、現代文・古文・漢文がそれぞれ同じテーマをもとに書かれるものとがあります。
文章の長さは比較的短く、設問も他の現代文に比べると易しいです。
仮に古文・漢文で理解できない箇所があったとしても、それらは現代文の内容と密接なつながりがあるので、現代文を読めば推測できることもあります。
また、内容理解問題以外にも、古文では文学史が頻出なので、備えておくことが大切です。

まとめ

早稲田大学文化構想学部国語の問題には、上記のように他の学部にはない特徴があります。
傾向をしっかり掴んだうえで、対策をしましょう。