慶應義塾大学の総合政策学部は、1990年に開設された比較的新しい学部です。環境情報学部と合わせて「SFC」とよく呼ばれます。
SFCとは、”Shonan Fujisawa Campus”の頭文字から取った造語であり、多くの学生が通う横浜の日吉キャンパスや東京港区の三田キャンパスからは遠く離れた、湘南藤沢の山間にあるキャンパスを指しています。

総合政策学部は「理に融合した文系」というコンセプトのもと、社会科学や人文科学だけでなく、自然科学や理数学までをも含めた、多様な学問分野を平行して学ぶことができる珍しい学部です。同キャンパスにある環境情報学部と授業や研究会を共有しており、文理を横断した幅広い学びに打ち込むことができます。従来の学部が学科やコースによって研究領域を限定している中、総合政策学部は枠組みに囚われない自由な学びをすることのできる学部であると言えます。

総合政策学部と環境情報学部はSFCとまとめて取り扱われることが多く、違いがわからないという声をよく聞きます。実際のところ、これらの学部をはっきり分けるような違いは存在していません。当初こそ「総合政策学部=文系」、「環境情報学部=理系」といった構想で分けられていたようですが、分野を横断する研究方針からも、現在ではそれぞれを明確に分けるような扱いはしておらず、その事実がSFCという呼称の定着を更に促したとも言えます。

総合政策学部は、入試の方法も一風変わっています。
一般選抜(旧一般入試)は外国語(英語)・数学・情報のいずれかと小論文の2科目のみ。科目数が少なく、文系理系問わず幅広い受験生に門戸が開かれているのが特徴です。また、同じくSFCである環境情報学部に関しても、試験形式は同一です。そのため、両学部を併願で受ける人も多くいます。とはいえ、その難易度は天下の慶應。当然一筋縄ではいきませんので、しっかりと対策を取った上で臨む必要があります。

また、総合型選抜(旧AO入試)についても、評定や実績に関する縛りが無く、幅広い学生が自己推薦で受けることができる形式になっています。それもそのはず、AO入試を日本で初めて取り入れたのは慶應SFCであり、現在でも自由な形での入試形式を貫いているのです。

総合政策学部はユニークな学部であるため、独自の対策が必要となってきます。このページでは総合政策学部を受験する上で知っておきたい情報を、最新のデータに基づいてまとめています。受験を意識したら早めの段階で目を通し、合格を掴み取りましょう。