早稲田大学文化構想学部の入試問題の傾向として、2つのポイントをおさえておきましょう。
そのポイントとは、教科書に出てくることをすべて把握しているか確認する問題が出ること、教科書の通史では出てこない地域の問題が出ることです。

はじめに

早稲田大学の数ある学部の中でも、今回は文化構想学部に注目します。
早稲田大学文化構想学部の一番オーソドックスな一般入試の試験科目は、外国語・国語・地歴の3教科です。
ご紹介するのは、暗記科目である世界史です。
世界史と国語や英語の違いは、世界史の場合、実力さえ身に着けておけば確実に安定して点がとれるところにあります。
すなわち、得意にしておくと、入試にかなり有利になります。
さらに、早稲田大学文化構想学部の世界史の入試問題の傾向を知り、それに応じた対策を練ることが合格へとつながります。
この記事では、早稲田大学文化構想学部の世界史の基本情報、形式、内容についてご紹介します。
また、それを踏まえたうえで、どんな心構えで対策すべきか提案します。

出題傾向

基本情報

早稲田大学文化構想学部の世界史の問題は、大問7~9題からなります。
他の私立大学は、多くて5問程度なので、他の私立大学に比べると多めです。
また、大問はそれぞれ4~6個の小問で構成されており、問題数は全部で45問程度となっています。
逆に大問ごとの小問数は、比較的少なめだと言えるでしょう。
問題の種類としては、全ての大問が単答問題を採用しています。
すなわち、受験生は問題に対して記号や単語で答えることになります。
自分で考えるというより、リード文はあるものの、知識を問われる問題が中心です。
トータルで考えると、全体の問題数はやや多めで、さらに知識の中でも細かい知識が問われる傾向にあります。
基本的には教科書に載っている基本事項を、取りこぼすことなく正確に覚えておくことが重要です。
しかしながら、早稲田大学のような難関私立大学においては、それだけでは不十分です。
教科書には載っているものの、重箱の隅をつつくような、多くの受験生が見落としがちな問題も出題されます。
どれだけ丁寧に、教科書や資料集を読み込み、頭に入れたかが問われると言えるでしょう。
また、教科書の通史では出てこない地域の問題も出題されます。

形式

形式については、半分強がマーク式、半分弱が短答式です。
そのほとんどが、空欄補充問題、正誤問題です。
記述式の問題においても、用語が頭にきちんと入っているか問う問題や、空欄補充問題、正誤問題が中心です。
論述問題は、今のところ出題されていません。
マーク式、短答式問題の傾向について、以下にさらに詳しくご説明します。

マーク式問題

マーク式問題においては、どれが間違いでどれが正解か一見見分けがつかない正誤問題が出題されます。
その場合は、選択肢1つ1つを吟味して、消去法で答えを決めることをおすすめします。
この時、世界史はスピードが勝負なので、あまり時間をかけすぎないようにすることが肝心です。
具体的な出題パターンですが、色んな角度から様々な知識が問われます。
写真や図など資料を含んだ問題も毎年見受けられるので、特に教科書の中に出てくる資料に関しては、目を通しておいてください。
さらにその中でも、美術作品については、作品名、作者名に加えて、写真も確認が必要です。
教科書に載っていない場合、見づらい場合は資料集を活用することをおすすめします。

短答式問題

人名や地名など、用語が頭に入っているか聞く問題が出題されます。
受験でよく出ると言われる重要語句はもちろん、見落としやすい語句が問われることもあるので、教科書に載っている用語は、隅々までチェックしましょう。
資料を問う問題は、マーク式のみならず、短答式でも出てくることを覚えておいてください。
また、通史理解でも、高いレベルが問われます。
ヨーロッパやアジアなど、よく狙われる地域の通史だけでなく、それら以外のマイナーな地域の通史もおさえておきましょう。

内容

問題パターンは、単純に知識を問う問題、年代を答えさせる問題、写真や地図などの資料を活用した問題があります。
先にご紹介した通り、問題数は多いです。
そのこともあり、幅広い地域・年代の問題が出題されます。
まず、地域について、中国史を中心にアジア史の勉強をしっかり行いましょう。
西洋史も頻出です。
中でも、西ヨーロッパや北アメリカがよく狙われます。
教科書を中心に、隅々まで頭に入れておいてください。
さらに、早稲田大学文化構想学部の世界史の問題で注意すべきなのが、アフリカ、中央アジア、南アメリカなど、教科書の通史では出てこない地域の問題が出題されることがある点です。
これらの地域に関しては、教科書に分散しているその国や地域に関する情報を自分で探し、年表などで歴史の流れを確認する必要があります。
時代に関しては、年度によって出題範囲がかわるので、古代史から現代史まで幅広く勉強しておくと安心です。
その中でも頻出の時代を挙げるとするなら、戦後史だと言えます。
特に重点をおいて勉強を進めてください。
また、ジャンルでいうと、政治史について聞かれる設問が目立ちます。
それに加えて、試験問題の最後に、必ず文学史に関係する問いが出てくることも、早稲田大学文化構想学部の世界史の問題の大きな特徴です。
教科書や資料集に出てくる建築物や絵画については、作品名・作者名とあわせて、掲載されている図や写真のチェックを怠らないようにしてください。

対策をたてる前の心構え

世界史は、暗記科目です。
すなわち、覚えているか否かが問われる科目だと言えるでしょう。
どんな文章が出題されるかによってとれる点数がかわってくる国語や英語に比べて、世界史は実力さえつければ、安定して点数が稼げる教科です。
すなわち、世界史を得意科目にしておくことは、確実に合格点を獲得するために、非常に重要なポイントだと言えます。
それは、難関の早稲田大学文化構想学部の試験においても、例外ではありません。
やるべきことも特別なことではありません。
基本的には教科書や資料集に載っている知識が問われます。
まずは、基礎知識を身に着け、あとは、先に述べた傾向を参考に、対策を練りましょう。
知識を身に着ければつけるほど自分に返ってくる教科ですから、受験の前日まで諦めず、努力を継続してください。
目標点は8割以上、可能であれば9割に設定しておくと良いですね。
具体的な対策法は、別の記事で詳しく解説します。

まとめ

今回は、早稲田大学文化構想学部の世界史の入試問題の傾向について、詳しくご説明しました。
レベルとしては難関私立大学らしく高めです。マーク式問題においては、確実に教科書の内容が頭に入っていないと正解に確信が持てない、正誤問題が出題されます。
論述問題がない分、短答問題のレベルも高いです。
満遍なく勉強するのはもちろんですが、この記事を参考に、特に出題されやすい地域、年代をおさえて準備をすすめてください。
まずは傾向を知り、正しい対策を行うことが、合格につながります。