慶應文学部日本史対策について

慶應大文学部の配点は、英語150、小論文100、日本史または世界史100の350点満点です。日本史は比較的勉強しやすい科目ですが、広く浅い知識が問われる世界史に比べて、掘り下げた問題が出題されがちです。日本史/世界史は、得点調整はありますが、確実に正解できるよう対策を研究し、しっかり準備しておきましょう。
 大問は5つあります。出題傾向の分析については、下記のリンクから詳しく見ることができます。

慶應大文学部日本史の傾向・明治以前をディープに出題!

 大問1、大問2は空欄補充の選択問題です。教科書をしっかりと抑えておけば概ね解答できますが、それだけでは対応できないトリッキーなものも出題されます。選択問題の対策としては一問一答式問題集を繰り返しすることで、正答率は確実に上がるでしょう。基礎的な問題の取りこぼしは厳禁です。教科書本文を徹底的に理解するだけでなく、欄外の用語などにも注意をはらい、知識を深めていきましょう。

 大問3は長文の空欄補充の記述問題です。問題文そのものは複雑ではありませんが、マニアックなことも問われます。例えば、2021年は「日露関係史」でしたが、大津事件の犯人の名前(津田三蔵)や、教科書に本文に記載がある下関条約の賠償金ではなく、三国干渉で返還した遼東半島の還付報奨金の金額(3000万両)が問われています。歴史の流れを正確に掴んでおくことに加えて、知識のバックグラウンドを広げておくことが重要になることがわかります。教科書だけではなく用語集の解説なども読み込んでおきましょう。その際には大問4、5の記述対策として、答を正確に漢字で書きだせるようにしておきましょう。

 大問4、大問5は比較的長い史料を解読する記述と論述問題です。余り知られていない史料が出題されることもあります。初見の史料にも対応できるように、教科書に出てくるような基礎史料はもちろんですが、史料集をしっかりと読むこと、他大学を含め、過去問にたくさんチャレンジすることで、史料読解そのものに慣れていくことが必要でしょう。

 論述問題は史料を理解した上で、100字前後で説明させるものが出題されます。知識については他の部分と同じ勉強法でよいのですが、通史理解に加え、因果関係、人物の相関をマッピングで理解することが対策として効果的です。そして過去問を参考に、最初は参考書や自分で作ったマッピングを使っても良いので、実際に文章を書いて、必ず添削してもらうことです。問題文をよく読み。決して自分の意見を述べるのではなく、出題者が求めている解答を書けるようにしましょう。