慶應大経済学部日本史の対策について

①通史は教科書の徹底理解から

教科書レベルの問題が半分程度ですが、記述問題が多く、正確な歴史理解が必要です。資料集や用語集を併用して徹底的に因果関係を理解し、派生する問題を説明できる応用力を身に着けましょう。年号までは問われませんが、毎年事項の並べ替えが出題されているので、「順番」は非常に重要です。
 資料問題が多いのですが、地図の問題を除けば、意外と難解なものは少ないです。特に文学作品等が出る場合、キーワードが必ずあります。国語要覧などを用いてざっくりと確認しておきましょう。

②戦後史は「政治経済」で

戦後史が他校に比べて多く難問も多いです。この分野は「政治経済」の教科書で対応しましょう。現代史では特に、米国や中国との関係が重要です。大統領の名前や条約の正式名など、しっかりと把握しておくことです。また経済分野で図表やグラフがよく出ます。政経の資料集も併用しておきましょう。折れ線グラフは大雑把な変化の形状を頭に入れておくことが難問への備えになります。また、政権交代の理由や議席数の変化など自民党政権を軸にした戦後の政治の流れは、重要なポイントです。

③テーマ史でまとめる

傾向のところでも書きましたが、教科書をベースにした通史学習を基礎に、テーマ別に歴史をまとめましょう。まとめ作業が終わったら、そこで勉強が終わったと錯覚してしまわないように、引き続きそれを政治史とクロスオーバーさせて理解を深めましょう。

④世界史の内容の再確認を

グローバルな歴史理解というのが「業界」のトレンドです。日本史なのに純然たる世界史の問題も出題されています。高校では新学習指導要領で日本史と世界史が融合した「歴史総合」という科目が誕生しました。旧課程で入試がある今後2年間も、今以上にそれが意識されるようになると思います。外交史の学習では、旧課程「世界史A」や新課程「歴史総合」の教科書も併せてチェックしておきましょう。

⑤過去問を徹底的にする

よく似た内容、分野、事項の出題があります。慶應大学関係者についての出題もあり、創設者である福沢諭吉の『脱亜論』は資料問題として2回出ています。グラフ問題は他校に余り類がない形式なので、過去問にしっかりと取り込んで、解法のトレーニングをしておきましょう。また、記述問題が比較的多いので、他校の問題も含め、たくさん書くことで対策を講じましょう。そして、書きっぱなしにならないように、必ず添削を受け、書き直して完成させておきましょう。