日本史対策メニュー

過去問解説
2021 2020 2019
日本史対策
合否を分けた一題 出題傾向分析 合格戦略の提案

慶應大経済学部・日本史のツボを探る

慶応大学経済学部一般選抜(B方式)の配点は、外国語200点、地理歴史150点、小論文70点で、となっており、入試要項によれば、2021年度の合格最低点は262点(合計得点率62.4%)です。外国語は1 次選考で「選抜最低点」に達した受験生のみが最終選考の対象となりますが、合格者最低点は65点と50%に届きません。つまり、英語が少々不得意でも、地歴と小論文で逆転可能です。英語よりも勉強しやすい日本史で効果的な学習法を見つけることには大きなメリットがあります。
 日本史は「1600年以降を中心とし、基礎的理解並びに体系的理解を問う問題」ということですが、近現代史というわけではなく、江戸時代の歴史は頻出で、1600年以前が出題されることもあります。
 この「基礎的理解」については、他の受験サイトなどでは「教科書レベル」という評価もありますが、侮ってはいけません。過去問を見てみても、要求されるレベルは低くありません。単純な知識を問う問題も出ますが、記述問題が複数出題されるので、何となく流れがわかっている程度では太刀打ちできません。文字通り「理解」が問われます。そして簡単な問題の取りこぼしが合否を左右します。地道なやり方ですが、サブノートやノートで近世以降の通史理解の土台を作り、用語集や資料集、その上に政治経済や旧課程世界史Aの知識で幅をもたせることが重要です。
 「体系的理解」の部分は難問揃いです。一度通史を終わったら、外交史、経済史、法制史などで知識を整理することが有効です。その後、テーマ史を通史の時期に当てはめて、重層的に理解を深めていくのです。注意すべきは文化史と戦後史です。前者は歴史の総合的理解という観点からか時々出題されます。また戦後の政治経済史は、学校の授業では急ぎ足で終わらせてしまう箇所なので、現役生は計画的に準備しておきましょう。対策のところで詳しく述べますが、「政治経済」の教科書や資料集をうまく活用すれば、知識に幅をもたせることができます。その際には、図表やグラフをしっかりと読み取ること、また、折れ線グラフの形状を頭に入れておくことが難問解読のカギになります。それに加えて地理的な知識がよく問われます。日本地図のみならず、日本の地方図、東アジアや世界地図も出ます。条約が結ばれた場所、地域紛争で出てくる地名などは必ず確認するようにしましょう。
 出題内容にはある程度偏りがありますが、形式は様々です。どんな形式の問題が出ても対応できるように、他学部や他校の問題にもチャレンジして、不得意の形式を作らないようにしておきましょう。